みんなが気になること~省令準耐火構造について~

2020.09.16

こんにちは。設計の村上です。

 

本日は省令準耐火構造についてご紹介させていただきます。

省令準耐火構造とは、勤労者財産形成促進法施行令の基準を定める省令に基づく準耐火構造であり、建築基準法の準耐火構造とは異なります。具体的な基準は、独立行政法人住宅金融支援機構が定める構造(仕様)に合致する建築物となります。

 

その主な特徴は、

1.隣家などから火が出ても家に燃え移りにくい

2.家の中で火災が発生しても一定時間部屋から火を出さない

3.万が一部屋から火が出ても家全体への延焼を遅らせる

などが挙げられ、一般の木造住宅より耐火性能が高く火災に対して安全性の高い住宅となっています。

 

上記のような3つの特徴を持った家が省令準耐火構造の家となります。

火事に対して強い家になるので万が一の場合でも安心感がありますね。

 

 

ただ、普通に家を建てるだけでは省令準耐火構造とはなりません。

たとえば周りの家からの「もらい火」を防ぐためには外壁や屋根、軒裏など家の外回りは防火性の高い構造である必要がありますし、部屋の中で火が出ても外に出さないようにするためには部屋ごとに火が外部に出にくいようにしないといけません。

また、火が家全体に燃え移るのを遅くするために、火の通り道となる壁や天井の内部の要所に「ファイヤーストップ材」を設けて火が家の中を移動しないようにしておく必要があります。

 

そしてこのような省令準耐火構造として認められるのは、

1、省令準耐火構造の仕様で建てた木造軸組構法の住宅、または枠組壁工法(2×4工法)の住宅

2、省令準耐火構造として機構が承認したプレハブ住宅

3、省令準耐火構造として機構が承認した住宅、または工法

上記のどれかに当てはまる必要があります。

 

たとえば省令準耐火構造を持つ住宅で多いのが枠組壁工法、いわゆる2×4(ツーバイフォー)工法の住宅です。

2×4工法の住宅は壁を組み立てて家を作っていくので部屋それぞれを区画しやすい作りとなっており、省令準耐火構造に比較的簡単にすることができます。

 

 

一方で木造軸組構法、いわゆる昔からある在来工法で省令準耐火構造の家を建てる場合は柱や梁で家を作っていくので、省令準耐火構造とするためには天井裏にファイヤーストップ材を設けるなど施工に一手間増やしたり材料を追加する必要があります。

 

 

省令準耐火構造の住宅のメリットとしては、これまで見てきたように火災に強い家になるということが挙げられます。

特に自分の家で万が一、火事が起こってしまった場合でも火の回りが遅くなるので逃げ遅れることが少なくなり、命を守る役割を果たしてくれます。

また、このように火事に強い住宅になることで他にもメリットが出てきます。

それは、「火事に強くなるので火災保険の金額を安くすることができる」ということです。

 

住宅ローンを組んで家を建てる場合は原則的に火災保険に入ることになりますが、火災保険料というのは家の構造によって金額は変わってきます。

耐火性能が高い家の方が火事の影響が低くなり火災保険における構造級別区分が鉄骨造と同等の区分に該当するため、火災保険料が安くなります。

 

 

木造住宅の場合は構造材の柱や梁を見せて家を作ることがありますが、省令準耐火構造にするためには壁や天井が燃えにくい仕様にする必要があるため、基本的に木の柱や梁を見せることはできなくなるデメリットも有ります。

 

弊社ではオンライン無料相談会を行っておりますので、お問い合わせのほどよろしくお願いいたします。

 

 

 

では次回の更新をお楽しみに🎵